あっと声が出た。
この人はあの人だったんだ。
よかった〜。
ほっとする読後感。
青山美智子さんの「赤と青とエスキース」を 読みました。
一枚の絵画をめぐる5つの物語。
ミステリーを読んだような騙され感も楽しめ
読後感の良い話でした。
全ての章に赤と青とエスキースが現れる。
物語の中で長い年月が流れ
そういえば あの二人はどうなったのだろうと
思っていたところに
あっと驚かされる一文。
年をとること。
年齢で言えば四章の茜さんの歳を少し過ぎた自分も
彼女の言葉に共感することが多かった。
ちょっと話は変わるけれど
一章に出てくる「ブー」(BUー)さんを
私 最初は「プー」(PUー)さんと読んでいて
プー太郎のプーと勘違いして読んでいたの。
老眼と思い込みは怖い。
赤と青とエスキース
読んでいる途中までは
赤と青のエスキースではなくて
どうして 赤と青とエスキースなんだろうと思っていましたが
読み終わるとその意味が分かりました。
そしてまた読み返しました。
作者の仕掛けを見つけながら読むのもおもしろい。
青山美智子さんの作品を読んだのはこれで3冊目。
読む前は 「お探し物は図書室まで」が一番好きだと思っていましたが
これも 同じぐらい好きな作品となりました。
P35
「堂々としていればいいんだ。俺はレイの気高い生命力を知ってるよ」
(ブー)
P165
大きくなっちゃったなあ、私。
体ばっかりが先に老いて、中身はまったく成長がなくて。
(茜)
P181
だけどわからなくもない。知らないっていうのは、怖いことなんだ。
(茜)
P191
絵って、すごい。肖像画の女の子は変わらず女の子のままだ。永遠に、ずっと。
(茜)
P196
「生き延びなさい」
(オーナー)
P209
「私は……私は、自信もないくせに見栄っ張りで、もう若くもなくて、
それなのにいつまでも未熟で」
(茜)
以下 ネタバレになりそうなので白字で。
赤と青
レイとブー
金魚とカワセミ
赤いブラウスと青い鳥
東京タワーとアーツ・センター
立花さんと円城寺さん
ウエイトレスと店長
トマトジュースとバタフライピー
赤鬼と青鬼
茜さんと蒼さん
まだ、あるかな。
おもしろかった。
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