東野圭吾さんの
「マスカレード・ゲーム」を読みました。
ホテル・コルテシア東京が舞台の最新刊。
3つの殺人事件の被害者は皆 人を死なせたことのある者だった。
そしてそのそれぞれの遺族がホテルに宿泊することになり
4つ目の事件が起こるかもしれないということになり
警部・新田がホテルマンとなって三度目の潜入操作に入り
ホテルスタッフの山岸尚美はロサンゼルスから急遽呼び戻される。
さらに梓警部も加わって
犯人を見つけたい警察側と
お客様のプライバシーを守りたいホテル側との攻防が繰り広げられる。
新田警部がホテル側の姿勢も分かるし警察側の考えも分かるしで
間に挟まれてしまうところがこれまでと違うところでした。
新田警部はだんだんホテル側に傾いて
「仮面を外すとき」
登場人物の一人が
ホテルの中の方が仮面が外れ本来の自分になれるというようなことを
言ったか言われたかだったけれど
それに似たような感覚をワタシも味わうことがあったな。
まだ仕事をしていた時
海外のホテルでワタシを知る人は誰もおらず
ただの観光客になり
リラックスしていたことを思い出します。
旅先では仕事を忘れ肩書きもなくなり自由な気分になるから
仮面を外すことができる。
ホテルの中の方が気を使わない。
ホテルは仮面を外す場所でもあり
仮面をつける場所でもあり
さまざまな人が現れるから
ミステリーの舞台としておもしろいなと思います。
「遺族の心情」
身内を殺された遺族は
犯人の命が無くなれば苦悩もなくなるかというと
そうではない。
犯人がこの世からいなくなっても
心の中の闇は晴れないことを
描いていたのかなと思います。
東野圭吾さんの他の作品でも
そのような題材が描かれています。
まだレビュー出来ずにいる「虚な十字架」もそうでした。
こちらの方が先に読んだのだけれど
ミステリーの中で
死刑と遺族の心情について書かれていたように思います。
「荷物を下ろす方法というのは、許すということだったんですね。」
犯人の謎の行動の理由が分かった時
涙が出ました。
犯人は
途中で
あっこの人かもと思ったけれど違って
最後まで分かりませんでした。
おもしろかった。
最後新田警部があんなことになっちゃったけれど
続編を望みます。
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