原田ひ香さんの
「老人ホテル」を読みました。
主人公は日村天使（えんじぇる←本名）
ホテルの清掃員。
ここで働く目的は
１０８号室に長期滞在している綾小路光子に
金持ちになる方法を教えてもらうため。
この綾小路光子に教えてもらうまでが長かった。
部屋に入れてもらえるまでが長い。
後半になってやっと部屋に入れてもらえるようになり
教わることができるようになる。
ここからはネタバレが過ぎるかもしれないので注意！
前半部分は
１０７号室 阿部幸子との会話によって
日村天使の生い立ちやこれまでが明かされていきます。
日村天使は
「仲良し日村さん一家」というテレビ番組で人気だった
日村家の７番目の末っ子で
子どもたちの名前が
長女 大天使（みかえる）
長男 堕天使（るしふぁ）
次男 羅天使（らふぁえる）
次女 我天使（がぶりえる）
三男 亜太夢（あだむ）
三女 衣歩（いぶ）
四女 天使（えんじぇる）
という キラキラネームで
読みながら誰のことやら分からなくなりました。
高校を中退して家を出て一人で生きる。
保険証もなく年金も払っていない。
基本的な生活の仕方を教わらなかった主人公にとって
生きづらい世の中だったろうなと思います。
さて後半になって
光子から色々と教わる様になってからが
ぐんとおもしろく一気に読みました。
貯金もなく記帳ということも知らない天使が
光子に
いったい、何に使ってるの？
と聞かれて答えたのがこちら。
給料 １５万円に少し足りないぐらい
家賃 ６５０００円
スマホ代 １００００円
食費 ５００００円以上
（朝 コンビニのサンドウィッチ・菓子パン４００円ぐらい
昼 コンビニ弁当
夜 コンビニ弁当・スーパーの弁当
外食 週に１・２回）
それを聞いて
引っ越しが必要だと光子は言いますが
引っ越しするお金もないので
まずは食費から削ることから始まります。
まず袋ラーメンにあんかけもやしを乗せる料理、
炊飯器がないから鍋でご飯を炊く方法。
基本的な料理だけでなく
使ったお金を記録することも学びます。
自炊によって食生活は変化しました。
朝 トースト 卵焼き
昼 自分でにぎったおにぎり
夜 ご飯ともやし 納豆や豆腐、鶏の胸肉で作ったおかず
自炊で食費が劇的に下がり
通信会社を格安に換え七千円が浮いて
最初の月に三万円以上のお金が残ります。
それを初めて銀行の定期預金に入れるのです。
プロパンガスでないアパートに引っ越し
「まず正社員になれ」という助言に従い
正社員になって
健康保険と厚生年金に加入して
保険証と年金手帳を生まれて初めて手にした天使。
給料の支給額が２０万近くまで上がったが
健康保険と年金、税金で引かれて手取りは一万ほど上がっただけ。
そうこぼす天使に光子が年金の大切さを教えます。
「でもね、その保険と年金、正社員という身分が
あんたを守ってくれるんだよ」（光子）
年金は
「あんたが万が一、事故に遭ったり、
病気になったりして、障害を持ったりしたら
ちゃんと年金が出るんだよ」（光子）
「え、年金て、お年寄りにならないと
もらえないもんじゃないんですか」（天使）
「違うんだよ。
だから、若くても払わないといけないんだよ」（光子）
引っ越して 正社員になって自炊ができるようになった生活費がこちら。
給料 １６万円
家賃 ２.７万円
食費 １.５万円
スマホ ２千円
貯金 ８万円以上
給料の半分を貯金できるようになっていました。
光子と過ごすうちに
金持ちになる方法とはそのことか。
と天使は知ることができます。
実践はまだだとして
その前準備はできてきたと思いました。
さらに１０４号室に長期滞在している大木さんに
株式投資を学びます。
「まず、極楽市場に会員登録して、
極楽カードというのを作りなさい」
極楽証券に口座を作りつみたてＮＩＳＡの契約をして
年間４０万 月に３３３３３円ずつ投資信託をする。
インデックス投資のものがいい。
クレジットカードで投資信託を買う。
３３３円のポイントが毎月つく。
（これって そのまんま ○○市場のことですよね。
実社会では ポイント還元率が下がった？）
ふるさと納税で米をもらうといいとか
個人情報を知られることの危険性まで教えてくれます。
個人的には大木さんのこの言葉に共感します。
P２５０
「クレジットカードなんていうのはね、
利用してやるためにあるんだ。
こちらは何も与えずに、
向こうを利用するんだって覚えておきなさい。
カードは使っても使われないように」
（１０４号 大木利春 投資家）
後半部分
天使がどんどん成長していくのがおもしろかった。
ワタシとしてはもっとその先も知りたいと思いました。
これ ↑ が こうなる ↓ 過程がおもしろい。
やっぱり固定費を減らして自炊して家計簿をつけることは大事。
↓ ↓ いつもありがとうございます
