原田ひ香さんの
「古本食堂 新装開店」
を読みました。
「古本食堂」の続編です。
第1話 森瑤子『イヤリング』と川端康成『掌の小説』と日本で一番古いお弁当やさん
第3話 『カドカワフィルムストーリー Wの悲劇』と豊前うどん
第4話 昭和五十六年の「暮しの手帖」と「メナムのほとり」
第5話 伊丹十三『「お葬式」日記』『「マルサの女」日記』と「なかや」の鰻
最終話 「京都『木津川』のおひるご飯」と中華料理店のカレー
この6つの話の中で一番好きなのは 第4話。
中学生の頃に自分や友達・クラス全員分のお弁当が雑誌に載った事があった。
それを母親がふと思い出したのだという。
その雑誌を探している女性。
母が作ったお弁当を思い出したいのと
母にもう一度その雑誌を見せたい娘。
年はちょうどワタシと同じぐらいかな。
介護中ということで親近感が湧き
その雑誌が見つかると良いなと思って読みました。
心が温かくなるエピソードでした。
それから読んでみたくなったのは
森瑤子『イヤリング』の中の『一等待合室(ファーストクラスラウンジ)』と
川端康成『掌の小説』の中の『三等待合室』
両方読むとリスペクトの意味がわかってくるらしい。
どちらも近くの図書館にはありませんでした。
ファーストクラスラウンジという言葉に惹かれる。
『小さいモモちゃん』
『モモちゃんとプー』
『モモちゃんとアカネちゃん』
これは図書館にあったし児童書なので読みやすいと思う。
今度借りてこようと思いました。
おいしいお店と本が身近にある生活がうらやましい。
この本の世界のような
おいしいものを食べられる飲食店があって
本のことを教えてくれる人がいて
本のことを語る人がいて
知らなかった本との新しい出会いがある街が
うらやましい。
徒歩圏内にそんな世界があるのがうらやましい。
本の中の世界。
まあワタシも時間がたっぷりあるリタイア生活を送っているから
おいしいものと本には恵まれているなあと思うけれど
車を使って移動しなければ
図書館にも本屋さんにも飲食店にも行けません。
ちょっと遠いのとそれぞれがぽつぽつと離れているのが残念。
でも自分の意思で行動できる
行けるだけしあわせなことです。
この本を読んで読みたい本がまた増えました。
それに図書館に新刊がどんどん入ってくる。
それもまたしあわせなこと。
P129
私たちはそのあともずっと、おいしい、おいしいという言葉をお互いに掛け合った。食べ物というのは偉大だ。それだけでも、仲直りができる。(美希喜)
P143
人って自分の終わりが見えてくると、ものを買わなくなっていくのよね(秋子伯母・美希喜の伯母)
- 価格: 1760 円
- 楽天で詳細を見る
↓ ↓ 関連ブログ はこちら