内館牧子さんの
「老害の人」
を読みました。
おもしろかったあ。
後半からは一気読みでした。
前半は
老害に困る場面が描かれていて
ちょっとイライラ。
同じ内容の長話を何回も聞かされている気分。
昔の自慢話を何回も長い間 聞きたくない。
主な登場人物
戸山家
・戸山福太郎(85)
・戸山明代(54)
・戸山純市(60)
・戸山莉子
・戸山 俊(18)
・福太郎(85)
・春子
・竹下勇三(76)
・吉田武(90)
・吉田桃子(87)
老害クレーマー?
・村井サキ(78)
松木ファーム
・松木達夫(75)
・松木美代子(72)
登場人物はほとんどが高齢者です。
ワタシは 初め老害を受ける立場で読んでいたけれど
考えてみれば
そのうち自分が老害の人になるんですねえ。
自分は違う・こうはなりたくないと思っていたのに
いつの間にか自分も老害の人になっていた。
そんな場面もあって明日は我が身と思いました。
世の中から邪魔者扱いされて
役に立たない人として
世の中にいない人として扱われるのは
寂しいし悲しいなあ。
でも確かに昔のことばっかり話して
これまでのやり方に固執して
新しくやることに口出しする人は嫌だあ。
後半で高齢者たちが
自分達の居場所・若鮎サロンを作って活動して
だんだん元気になっていくのがよかった。
若鮎サロンのメンバーたち
P330
「うつし世はゆめ、夜の夢こそまこと」
サキさんが紹介する江戸川乱歩の言葉が
今のいる世界が夢のことで夜見る夢の方が本当だ
という意味だとワタシはとらえました。
この言葉に引っかかったのは
ずっと前からそんなことを思っていたからです。
夜の夢の世界にいるワタシの方が本物のワタシで
今の世界は本物のワタシがみている夢の中なのではないか。
だからワタシは夢の中の自分をよく知らないのだ。
反対に本物のワタシは今の世を知っている。
なんてことを思っていました。
そんなことはとうの昔に
誰かが考えていたことなのでした。
「老害の人」の中で
長く生きていると
現世の記憶も薄れてきて
昔のことは全部夢だったのではないか
と思うこともあるという場面があって
いつかそう思う日がやってくるのだろうかと
ちょっとしんみりしました。
でも
それぐらい長く生きていると
そうなるかもなあ
まずそう思えるぐらい
元気に年をとりたいものだとも思いました。
内館牧子さんの高齢者シリーズ おもしろい。
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